ウチナーグチの秘密


あいうえおはアイウイウ : 三母音の原則

「舟」「星」について、共通語と沖縄語を比べてみましょう。
 「舟」  フネ hune フニ huni
 「星」  ホシ hoshi フシ hushi

上の対比から、母音の違いについて次のことがわかります

  • 共通語のエは沖縄語のイにあたる
  • 共通語のオは沖縄語のウにあたる

    沖縄語の母音は原則として
    ア・イ・ウ
    の、三つなのです。




    これで、ほかの単語もわかってくるでしょう。
    船(hune)は、フニ(huni)
    になりますし、
    夜(yoru)はユル(yuru)
    となるわけです。


    「前」はメー

    沖縄語にエやオがないわけではありません。
    アイやアエがエーになります。
    こんな事いわれてもわかりにくいと思うので、

    共通語のアイ(ai)、アエ(ae)は沖縄語ではエー(ee)
    「台」 ダイ(dai) → デー(dee)
    「前」 マエ(mae) → メー(mee)

    共通語のアウ(au)、アオ(ao)は沖縄語ではオー(oo)
    「買う」 カウ(kau) → コーユン(kooyun)
    「竿」 サオ(sao) → ソー(soo)     

    また、新しく入ってきた語にも「エ」や「オ」が含まれます


    「きよらさ」はチュラサ:口蓋化

     代表的な沖縄語のひとつ、『チュラサン』は『美しい』という意味で、
    ヤマトの『清らさ』とつながっています。
    最初のほうにやった、法則からすると『きよらさ kiyorasa』となるはずですが
    実際には『チュラサ churasa』ですし、また『時 toki』も『トゥチ tuchi』になっています。
    このように、ヤマトのkにchが対応している例はたくさんあります。
    このような母音iの前後で子音が変化することを
    『口蓋化』といいます。
    kがchになる以外では、gがjtがchdがjになります。

    「釘」 クギ(kugi) → クジ(kuji)     
    「下」 シタ(shita) → シチャ(shicha)


    『沖縄語の入門』西岡敏・仲原穣著,白水社刊
    許可をもらい引用しました。ありがとうございます。

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